ノーコードとローコードの違いとは?代表的なツールも解説!
近年、オンライン需要の高まりや深刻なエンジニア不足により、ノーコード(NoCode)やローコード(LowCode)を活用した開発手法が注目を集めています。
ノーコード/ローコードツールを活用することで、プログラミング知識・経験を持たない非エンジニア人材でも、日常業務に役立つアプリケーションを短時間で開発することが可能です。
しかし、ノーコードとローコードの違いがよくわからないと感じる方も多いのではないでしょうか。それぞれの手法は、特徴やメリットが異なるため、特性を理解しないまま導入を進めてしまうと、思うように開発が進まないこともあります。
本記事ではノーコード・ローコードツールの概要やメリット、利用時の注意点について解説します。こちらをお読みいただくことで、どちらの手法を取り入れるべきか判断できるようになるため、アプリ開発をご検討中の方は必見です。
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- 1ノーコードとローコードの違い
- 1.1ノーコードとは?(NoCode)
- 1.2ローコードとは?(LowCode)
- 2ノーコード・ローコードのメリット
- 2.1ノーコードのメリット
- 2.1.1 スキル不要で誰でも開発ができる
- 2.1.2 開発後のエラー発生リスクが少ない
- 2.1.3 開発後の修正・機能拡張が容易
- 2.2ローコードのメリット
- 2.2.1 独自のビジネスロジックが組み込める
- 2.2.2 既存システムとの連携が可能
- 2.2.3 利用目的・用途が限定されない
- 2.1ノーコードのメリット
- 3ノーコード・ローコードの利用前に注意すべきこと
- 3.1大規模なシステムには向いていない
- 3.2シャドーITになる恐れがある
- 4代表的なノーコード・ローコードツール
- 4.1ノーコードツール
- 4.1.1 Webflow
- 4.1.2 Anyflow
- 4.2ローコードツール
- 4.2.1 KISSFLOW
- 4.2.2 DWKIT
- 4.1ノーコードツール
- 5まとめ
ノーコードとローコードの違い
ノーコード(NoCode)とローコード(LowCode)は、どちらも従来のプログラム開発に比べて、圧倒的に工数を抑えてアプリ開発ができる手法である点は共通しています。
しかしそれぞれの手法では特性が大きく異なります。ここではノーコードとローコードの特徴と違いをそれぞれ解説していきます。
ノーコードとは?(NoCode)
ノーコード(NoCode)は文字の通り、コード記述無しでシステム開発する開発手法です。システムエンジニアがソースコードを記述する必要は一切なく、専門知識を持たない非エンジニア人材でもシステム構築が可能です。
ノーコードツールでは、あらかじめ機能パーツやテンプレートが多数備わっているため、それらのパーツを積み木を組み立てることで短時間でアプリ開発が可能になります。
ノーコードは主に小規模のアプリケーションや、機能が単一のアプリケーションなど、複雑な設定が必要のないシンプルなアプリケーション開発に向いています。
ローコードとは?(LowCode)
ローコード(LowCode)は、ゼロからソースコードを記述して開発を行うよりも、圧倒的に少ないコード量でアプリ開発を行える手法です。
ノーコードとの違いは機能性の高さです。ノーコードは機能が限られているため用途が限定的ですが、ローコードの場合はAPIや拡張性を持つアーキテクチャを利用することで、外部サービスとの連携や機能拡張が可能です。
そのため、より広範囲なアプリ開発に向いており、社内で利用中の各種クラウドサービスとの連携も可能です。
たとえば、ビジネスチャットやスプレッドシートなどの業務システムと連携することで、システム同士をシームレスに行き来できるようになり、業務効率化につながります。
ノーコード・ローコードのメリット
ノーコード・ローコードは、従来に比べて圧倒的に開発工数を削減できる手法です。それぞれの手法には、他にもメリットがあります。
システム開発を行う際にどの手法を取り入れるかは、それぞれのメリットを把握したうえで判断する必要があります。ここではノーコード・ローコード、それぞれのメリットを解説します。
ノーコードのメリット
スキル不要で誰でも開発ができる
ノーコードはコーディングが不要なので、プログラミングに関する専門知識・経験がない方でもアプリ開発が可能です。
そのため、社内の情報システム部門や外部の開発会社に開発を依頼しなくとも、自分たちの業務に役立つアプリ開発を行えます。
開発後のエラー発生リスクが少ない
ノーコードの場合、あらかじめツール内に実装された機能をパズルのように組み立てていくため、ソースコードの記述の誤りなどによるバグやエラーのリスクが少ないことが特徴です。
開発にかける時間・労力が圧倒的に少なく済むので、業務生産性の観点でも非常に効率的に進めることが可能です。ソースコードを記述する開発案件でも、プロトタイプ(試作品)はノーコードで開発するケースも増えています。
開発後の修正・機能拡張が容易
通常のシステム開発の場合、アプリ完成後のカスタマイズには複雑な処理を行う必要があるため、時間とコストがかかりますが、ノーコードの場合はあらかじめ用意された機能の範囲でああれば、かんたんに機能拡張が可能です。
開発後に、使いにくさや機能不足を感じたら、すぐに修正・機能拡張が可能なので、一度作成して終わりではなく中長期的に活用し続けることが可能です。
ローコードのメリット
独自のビジネスロジックが組み込める
企業にはそれぞれ独自のビジネスロジックが存在し、この独自ロジックにどれだけ対応できるかで、システムによる生産性向上の効果に違いが生まれます。
ローコードの場合、基本機能に加え独自のビジネスロジックを追加できるので、少ないリソースで社内業務に適した業務システムの構築が可能です。
対してノーコードは、機能が限定的であるため、独自のビジネスロジックに対応させることは難しいといえます。
既存システムとの連携が可能
API連携によって、利用中の外部サービスとの機能連携が可能です。たとえば、社内チャットツールと連携することで、チャットツールに通知させるといったことも可能です。
近年、クラウドサービスの活用は企業に欠かせないものとなりました。システム間をシームレスに行き来することや、システム同士の連携によって効率性を高めることは重要なポイントです。
利用目的・用途が限定されない
ローコードツールは、あらかじめ備わっている機能で実現できない場合は、個別にプログラムを組むことで不足部分を補うことが可能です。そのため、利用目的・用途が限定されることなく、あらゆるビジネスにて活用できます。
対してノーコードツールの場合は、あらかじめ実装された機能が限られているうえ、追加の機能実装ができないため、ツールごとに利用目的・用途が限定されています。
ノーコード・ローコードの利用前に注意すべきこと
ノーコード・ローコードツールツールは非常に便利なツールであることを解説してきましたが、一方でこれらのツールを利用する際には注意すべき点も存在します。
ここではシステム開発にノーコード・ローコードツールを用いる際に注意すべき点を紹介します。
大規模なシステムには向いていない
ノーコード・ローコードツールを活用したシステム開発が向いているのは、スモールビジネスや数名規模の小規模チームなどです。基幹システムやデータベースを利用するような大規模システム開発には向いていません。
ノーコード・ローコードツールはコードの記述を少なくし、効率的なシステム構築に特化しています。そのため複雑な処理やデータベースに対応する十分な機能を提供していません。
システム運用において肝心なセキュリティーや監視機能などがカバーされていないため、重要情報を保管するシステムの開発などは従来の手法での開発が望ましいです。
シャドーITになる恐れがある
ノーコード・ローコードツールは誰でも簡単にシステム開発ができるため、知らない間に、いつ・だれが・何の目的で作成したか分からないシステム(シャドーIT)が社内に乱立する可能性があります。
システムの乱立は社内に混乱を招く恐れがあります。もしデータがそれぞれのシステムに分散してしまえば、システム化する前よりもデータ探しに手間がかかる事態にもなりかねません。
ノーコード・ローコードツールでの開発は情報システム部による社内統制がある前提で利用するのが望ましいです。
代表的なノーコード・ローコードツール
現在、ノーコード・ローコードツールは国内外問わず、さまざまなビジネスシーンで利用されています。ここでは代表的なノーコードツールとローコードツールを紹介していきます。
ノーコードツール
ここでは以下の利用用途ごとのノーコードツールを紹介していきます。
- Webサイト構築 ・・・ Webflow
- データ連携・・・Anyflow
Webflow
WebflowはWebサイト構築のためのノーコードツールで、簡単にクオリティの高いWebサイトを構築することができます。
動画の埋め込みやSNSサービスとの連携などユーザーが必要とする機能のほとんどが用意されており、それらをドラック&ドロップで簡単に実装することができます。
クリエイターが作成したWebサイトテンプレートが無料配布されているため、わざわざゼロから作らず、テンプレートを活用することで更に開発スピードを向上することが可能です。
Anyflow
Anyflowは企業での活用が進んでいる特定業務に特化したSaaSを簡単に連携させることができるノーコードツールです。
SaaSサービスの導入が増えると、企業は必ずデータ連携の問題に直面します。
ある行動や変化が起きた際にどこにデータを連携するかだけをあらかじめ設定するだけでAnyflowがその設定に沿って自動でデータの連携を行ってくれます。
Anyflowは今までエンジニアしかできなかったシステム間の連携をプログラミング知識のない未経験者でも行えるようにするノーコードツールで、部署単位の業務効率化の面で強い効果を発揮します。
ローコードツール
ここでは以下の利用用途ごとのローコードツールを紹介していきます。
- ルーティン業務自動化 ・・・Kissflow
- 業務フロー構築・・・DWKIT
KISSFLOW
KISSFLOWは企業に存在するルーティン業務を自動化するためのアプリを開発するローコードツールです。
どの会社にも以下のようなルーティン業務が必ず存在します。
- 請求書発行依頼
- 旅費精算
- 休暇申請
KISSFLOWはこれらのルーティン業務のためのアプリが提供されており、ユーザーは必要なアプリを選択し、申請者の入力フォームと申請フローを設定するだけで簡単にルーティン業務アプリが完成します。
DWKIT
DWKITは部門ごとにそれぞれ存在する業務フローに沿ったシステムを構築するためのローコードツールです。
業務フロー系のツールで複雑になるのが権限管理の部分ですが、DWKITは権限管理設定が直感的に設定できるため、プログラミング知識がない方でも簡単に業務フロー構築をすることができます。
業務フローは人事異動や配置転換が発生した際に変更の手間がかかる部分でありますが、DWKITの場合は外部環境の変化に合わせて直感的に権限管理の更新が可能になっています。
まとめ
この記事では、ノーコードとローコードの違いについて解説しました。
これまでシステムエンジニアがいなければ実現できなかったシステム開発も、ノーコード/ローコードツールが登場したことで、誰でもかんたんに行えるようになりました。
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従来の開発にかけていた工数・労力・費用を大幅に削減できるため、空いた時間や予算で自分達が本来やるべき業務にリソースを集中させることが可能です。
ノーコード/ローコードを活用することで、非エンジニア人材が自部署の業務改善アプリを開発し業務生産性を向上させることや、新サービスのプロトタイプ(試作品)を作成・リリースし、市場の反応を見ることも可能です。
自社の業務効率化や新サービス開発を検討されている方は、是非一度ノーコード・ローコードを活用してみてください。
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